上野の森ブログ

子犬の心臓手術

2017年02月04日
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上野の森どうぶつ病院の 獣医循環器認定医の諌山です。   本日はうれしいお知らせをお伝えします。   じつは、動脈管開存症の手術を当院で行った ハナちゃんと大福ちゃんが無事一ヶ月検診終了しました★ 完治です ぱちぱちぱちぱち~     動脈管開存症自体はわりと行っている手術なんですが、ハナちゃんはちょっと事情が違いました。   なんと400gで手術に挑んだんです。     ご自宅近くの病院では子犬だし小さすぎるから、大きくなるまで一か月待ちましょうと言われたそうです。 そりゃそうですよね、不忍池の近くで見たネズミよりも小さい体です。     ただし、動脈管開存症は見つけたらなるべく早く閉じた方がいい病気です。     本人の体がそこまで持つのであれば、やはり大きい方が手術はしやすいので育つのを待てますが、詳しく聞くとお薬飲まないといけない状況で…とのこと。   生後一か月なのに薬が必要な状態で一か月も待って大丈夫なのか? 心不全や肺水腫にならずにいられるのか??   動脈管開存症は肺が固くなる肺高血圧症にもなることがあるのですが、肺高血圧症になってしまうと、手術自体が出来ない体になってしまうこともあります。   とりあえず状態の確認のために、雑音の精査を兼ねて検査に来ていただきました。     …すでに心臓はパンッパン。 430gの体重なのに 2キロくらいの犬の心臓サイズでした。   肺に水も溜まっていました。     薬を飲んでいるとのことでしたが、薬を増量して入院して 体重が増えたらor心臓が耐えられなくなったら手術しましょう。     どっちが先かは賭けですね・・・     なんて言ってましたが、早くも3日目に具合が悪くなってきて…タイムリミットでした。 肺水腫を薬で減らして、息苦しくて食欲も減っているせいか体重が400gちょうど。     400gでは機械で呼吸の管理は出来ません。 麻酔専門医に聞いても「厳しい症例ですね…」とのご回答。ツラい。 気道確保のためのチューブで既存の物は2mmが最小なのですが、入らなかったら…自作するしかないか…。ツラい。  …