胃拡張・胃捻転症候群

こんにちは
上野の森どうぶつ病院
の諌山です。
本日は胃拡張・胃捻転症候群という病気について。
と、いうのも先日我が家のラッテがあわや手術か・・・というところまでいったからです。
大型犬を飼っている方はご存知の場合が多いのですが、胃拡張胃捻転症候群は
大型犬で非常に多い病気です。
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特に胸の深い大型犬、超大型犬はブリーダーさんなどから、飼う際に気をつけるように言われていることも多いのではないでしょうか。
その他にも高齢で筋肉や靭帯が緩んできた場合は小型犬でも発生します。
ラッテはこれにあたりますね。
体型は全然違いますが、ダックスも多い様です。
小型犬でも無いとは言えないので注意してください。
猫では非常に稀ですが、報告はあります。
胃拡張胃捻転症候群
・胸の深い大型犬
・発酵食品
・過食
・食後の運動
などがキーワードです。
ラブラドールレトリバーが大豆入りのドッグフードを大量に食べたあとに、運動して走り回って水をがぶ飲みしていた・・・・
なーんて状態はきっとアウトでしょうね。まずないとは思いますが。
ちなみに我が家のラッテさんはまさかのオムツの吸収剤でした。
・・・はい。
悪いのはガルボなんです。
ガルボがゴミ箱を漁って息子のオムツを食いちぎっていたんです。
それに便乗して普段は興味を持たないオムツを食べてしまい。。。
ここからが典型的な症状です。
気持ちが悪そう。

吐く。  すっごい気持ち悪そうな割には一口ゲロ。

また吐く。中身が出ない。

またまた吐く。 音だけ豪快で中身がない・・・?

まだまだ気持ちが悪そう。

・・・上から見るとお腹周りが丸い・・・
獣医ですからね。身体検査しましたよ。
打診っていいまして、叩いて鳴る音で判断するっていうものがあるんですが
ラッテの膨らみにデコピンするとポン♪ポン♪っていう、空気の入っているイ~~~音がするんですよ。
アウト・・・ですよね・・・って時計を見ると、夜11時半。
まさか時間外診療を自分の犬で行うとは思いませんでした。
病院に連れて行ってレントゲンを撮ると。
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黒い部分が空気です。
お腹の中、ガスだらけ。
まだ捻れは少ない方ですけどね。
捻れがひどくなるとこうなります。
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お腹の中にU字型の黒いものありますよね?
これが捻じれた胃の証拠です。
そして、この病気の怖いところはこの捻れて膨らんだ胃によって血管が圧迫されて胃だけじゃなく、他の臓器に血がいかなくなり、壊死を起こしたりそれによる不整脈がおきたりすることです。
この病気は大型犬の死因の上位に入ります。
この病気は発症してからいかに早く処置をするか
これに生死がかかっています。
ちなみに捻れた写真の子は「30分くらい前からおかしい。」って来院されて部屋に入った瞬間に倒れて心臓が止まりました。
幸い倒れたのが病院内だったので、あわてて処置して手術を即断していただけたので、驚異の復活です。
でも、手術まで乗り越えられてもその後に不整脈で亡くすこともあります。
ちなみに、心臓が止まった場合の無事退院できる可能性は4%です。
本当に危ない病気なんです。
いつも気を付けていたのに・・・
食後寝ていたのになぜ?
みたいなタイミングでなることもあります。
典型的な状況じゃないからって違うとは限りませんので、迷ったらすぐに病院へ。
鳥越苦労の方がよっぽどうれしい病気ですからね。
結論からいうと、ラッテは元気です。
次はガルボがならないか心配ですけどね・・・
今回書いてて思いつきましたが、次回はレントゲンについて紹介したいと思います。
その方が今回の写真もわかるかと。
次回をこうご期待☆

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