犬猫の血液型と輸血

こんにちは

上野の森どうぶつ病院
の諌山です
本日は、ちょっと真面目なお話を。
犬と猫にも血液型があります。
そして輸血をすることもあります。
犬の血液型は奥が深くて13型以上あると言われています。
猫は人のようにA型、B型、AB型とあり、O型はありません。
血液型がわかっている子は非常に少なく、分かっている子でも安全性を考慮して輸血の際にはクロスマッチテストというのを行います。
クロスマッチテストとは簡単に説明すると、実際に輸血する血液 (供血) と、輸血される側 (受血) の血液を混ぜ合わせて異常が出ないかという検査ですね。
血液型がわかっていなくても、45分程度で輸血できるかどうかの判断が出来ます
輸血が必要なケースは様々で
外傷や事故による出血
免疫性の貧血や血小板減少
肝不全などによるタンパク質の低下や止血機能の低下
腫瘍による貧血や出血、止血機能の異常
等など多岐にわたります。
今回、このようなことを書いたのは実は、輸血をしなければならない子がいたからです。
飼い主様の了承を得て、紹介させていただきます。

ロビンちゃん。いつも元気に遊びに来てくれる子です

 

先日、左後ろ脚が腫れて来院しましたが、検査で肝臓に腫瘍が見つかって…
脚の腫れは全部出血でした。腫瘍によって止血機能が働かなくなっていました。
輸血をしてもしても、どんどん血が出てきて…
幸いにも多くの方の協力により輸血が集まったので、手術をする事ができ、肝臓の腫瘍を取ったら血も止まりました。

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協力してくださったワンコ6頭からもらった輸血総量は約1.3リットル。体の半分以上の血液が入れ替わってます。

そしてロビンちゃん、元気にお家に帰って、一昨日晴れて抜糸しました
本当にうれしい限りです
こんな大事、そう滅多にあっては欲しくありませんが、あったときには緊急事態なことがほとんどです。
そして、一頭を救うのに複数頭の血液が必要なことも多くあります。
そのため、供血犬、供血猫として病院に協力していただける方を募集しています。

 

  • 健康で性格上、採血をすることが出来る子 (採血のため10分くらい横になってもらう必要があります)
  • 7歳以下
  • 犬は8キロ以上、猫は4キロ以上の子

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ん?オレのこと?

そうです。ガルボくんは引きこもりなので看板犬としてはラッテに劣りますが・・・
じつは供血犬として重大な使命を全うしてくれているんです!
ちなみに供血してくれた子は、血液検査のスクリーニング結果と、おいしいご飯がでます★

 

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旨かったゼ

ガルボはこの日以来、世の中にはおいしいご飯が有る事を知ってしまい、自分のごはんに不満があるそうです。
薬などではどうすることもできない血液
ご協力いただける方は、ぜひ血液ドナー登録をお願いします。
詳細について知りたい方はぜひ獣医師までご相談ください。
今回協力してくださった方々、ワンちゃん。本当にありがとうございました。

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ロビンちゃんは今おうちでのんびり過ごしています☆

 

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上野の森どうぶつ病院
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