リンパ腫と戦う。スタッフ犬なぎの現状とお知らせ

こんにちは。

 

上野の森どうぶつ病院看護師の西です。

 

 

突然ですが皆さん、この子を覚えていますか?

 

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そう、私の子、なぎです。

 

実は今年の11月1日になぎの胸の中に腫瘍が見つかりました。

 

よりによって治してもらった心臓のすぐそばにありました。

(なぎは元々先天性疾患の動脈管開存症で当院にやってきました)

 

きっかけは本当に些細なことでした。

 

・食欲も元気もあるけど、なんとなく便の出が悪い

・突然いつものフードを食べなくなった

(工夫をすれば食べる)

・嘔吐、下痢はなし。

 

発覚するその日まで走る元気はありました。

 

まさか、縦隔型リンパ腫による高カルシウム血症を発症しているとは夢にも思いませんでした。

 

上野の森どうぶつ病院でオープンスタッフとして働き始めて7年目。

看護師としても7年目。

なのにすぐに気付いてあげられなかった…とても悔しいです。

 

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レントゲンで心臓の横に一つ、もう一つ分かりにくいですが心臓に被さるように腫瘍があります。

 

縦隔型リンパ腫は犬では発生率がとても少なく、症例がほぼないです。

そしてリンパ腫の中でも、抗がん剤の効きが悪いT細胞性のリンパ腫であり、予後は悪いです。

 

抗がん剤が効いても余命3~6ヶ月。

効きが悪く、体調が持ち上がらなければ…年内には亡くなると宣告されました。

 

それからは地獄のような日々です。

 

なんせ自分の子のように溺愛し、自分にとってはかげがえのない…私の人生を変えてくれた子です。

なぎがいなければ看護師としての私はもういなかったかもしれません。

まだなぎは6歳です。3月10日に7歳の誕生日を迎えますが、迎えられない可能性が高いです。

少なくともあと…5年は一緒に居れると思っていました。

おじいちゃんになったなぎを見るのが楽しみでした。

 

でもそれはもう叶いません。

 

 

 

と、色々悲観的に書きましたが、今は奇跡的に抗ガン剤が効いてくれて一つの大きな腫瘍はほぼ消えてくれました。

 

 

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心臓に被っている方も、少しずつ薄くなってきました。

 

T細胞性のリンパ腫は抗ガン剤が効かなくなるのも早いのでまだまだ油断ならない状態ですが、少なくとも今はとても元気に過ごしてくれています。

 

 

これはどの病気でも言えることですが、治療は獣医師との二人三脚です。

それこそ抗ガン剤治療や、心臓病、腎臓病等は長期の治療が必要です。

獣医師と患者、そのご家族と一丸となって病気と闘っていく。少しでも長生きできるように。

私たち看護師は全力でそのサポートをしていきます。

 

ご家庭での治療方針を今のうちに決めておくといいかもしれません。

病気になった時、とことんやるのか、自然に任せるのか。

 

最期のとき、安楽死をするのか、しないのか…。

 

これは本当に人それぞれですので、色んな選択をしていいと思います。

 

 

なぎにガンが発覚したとき、皆が口を揃えてこう言ってくれました。

 

「西さんが後悔しないように」

 

本当にそうだと思います。

 

色んな方から、色んな話を聞きました。

この場を借りて…私に話をして下さった方々、本当にありがとうございます。

 

病気と闘うってそれはとても長くて、大変な道のりです。

犬種や年齢、病状等、なぎと違う点は沢山ありますが、状況は一緒だと思います。

 

今何かの病気で病院に通っている方々、毎日本当に大変ですが、なぎと一緒に頑張っていきましょう。

 

 

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