病院の設備紹介 ―レントゲン撮影機器―

こんにちは

上野の森どうぶつ病院

の諌山です

 

なんだか暖かくなってきたと思ったら、毎日雨で気が滅入りますね。

 

 

さて、本日の設備紹介は前回の宣言通り、レントゲンについて。

 

 

レントゲンとは人の名前です。

ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン

これがX線を発見した人の名前。それにちなんでX線撮影がレントゲンと呼ばれます。

この人の奥さんの指輪をした手を映したレントゲン写真が世界的に有名です。

 

 

 

さて、ウンチクはおいておいて、レントゲン撮影とは

X線を物体にあてて、そのX線がどのくらい物体の向こう側の写真フィルムまで届いているか

というものを調べる装置です。
ぜーんぶX線が届いていると、フィルムは真っ黒になります。

つまり、物体周りのなにもない空気の部分=黒。

 

 

逆に、全くX線が届いていないものは真っ白のフィルムになります。

たとえば、放射線の話題で時々出てくる鉛などの金属。

これはX線を非常に通しにくいのでこれを置いて撮影すると白くなります。

 

 

イメージとしては、硬いものほどX線は通しにくい、といったところでしょうか。

体を撮影すると

金属などの装飾品>骨>臓器や筋肉>脂肪>体の中の空気>周りの空気

といった順に暗く見えます。

 

 

ここで以前の胃拡張騒動を起こしたラッテの画像をどうぞ。

 

 

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周りが真っ黒なのは空気。

真ん中の大きな黒丸は胃袋の空気。

右の方の数珠状の黒いものは小腸から大腸にかけての空気ですね。

消化管内で異常発酵してガスが大量発生しています・・・

お分かりいただけますか?

胃袋の左にある丸い白い塊は心臓、周りは肺なので、空気を含んでて黒っぽいです。

心臓と胃袋の間の三日月は肝臓。

肝臓と心臓の間に横隔膜があって、胸とお腹を分けています。

こうやって、本来の位置とサイズ、白っぽさ黒っぽさで見ています。

 

 

ただ、一概に順番通りに白黒分かれるわけではないんです。

というのも

X線装置 → 体 → フィルム

という撮影をするため、基本的にフィルムには影絵が映っているようなもの。

たとえば

X線装置 → 金属 (たとえばクリップ) → 体 → フィルム

 

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こんなかんじ

 

 

と撮影すると、あたかも体の中に金属があるように映ります。

 

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90度変えるとこういう位置関係です。

そのため、レントゲンは必ず二方向から撮る必要があります。

 

 

そうすることで変なものを見つけた時には、その位置にある臓器は何なのか

サイズは縦横奥行がどうないのか・・・などを見ます。

なので、重なっているものが多ければ多いほど判断が難しいんです。

例えばご飯をいっぱい食べてレントゲンを撮ると、上半分のお腹は判断が付きにくいです。

 

また、プラスチックとかは他の臓器のほうが白く見えて、見えないこともあります。

 

 

たとえば本当に異物を飲み込んでしまったとして。

 

 

はい。ここで昨日子供のおもちゃを飲み込んだラッテさん (マジです) に再登場していただきます。

検査のついでに設備紹介に強制参加してもらいました。

 

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異物がどこにあるか…調べるには

同じものを隣に並べて撮ります。

 

 

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そして、90度向きを変えて撮ります。

ちょっとついでなので、異物が重なるとどうなるかもお見せするため、異物を乗せてみましょう。

ふつうは乗せないですよ (笑)

 

 

P4144115-300x225

 

 

これらの異物たち。

割りと代表的かと思います。

クリップ・鈴入りおもちゃ・笛入りのラバーおもちゃ

 

さっき撮ったレントゲン写真で見ましょうか。

 

 

 

 

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体に重なるとこんな感じ。

クリップははっきりわかりますが、鈴入りのおもちゃは…どこ?って感じですかね。ラバーは輪郭がなんとなくわかりますね。

 

お腹の上に乗せて撮ったらもっと臨場感あるんでしょうが、一応異物を食べた検査ついでだったので、胸の上に置きました。

 

ちなみに食べたのは木のおもちゃ。

木だから基本見えないんですが、変に詰まったりするとわかるので撮りました。

詰まっては居ないので、今夜か明日あたりの便をほぐして出てるか確認しようと思います。。。

 

さて、いかがでしょうか?

これであなたも読影 (どくえい:レントゲン写真を読むこと) 出来ますね!

 

万が一変なものを食べてしまった際には、欠片や同じものをお持ちいただくと、今回の様に検査しますので、覚えておいてください☆

 

さてさて、次回は何にしましょうかね?

上野の森どうぶつ病院よりお送りしました☆

 

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